催眠療法のまとめ~その1

催眠療法とは潜在意識との対話を通して、心の悩みを解決したり、健康を取り戻したりする心理療法です。心の悩みや病気は意思の力だけでは解決することができません。催眠療法は潜在意識との対話を可能とし、古い心の傷を癒すことで、前に進むことができるようになります。

催眠療法は欧米では半世紀近く前から医師や心理学者、心理療法士、催眠療法士などによって治療に利用されてきました。がん患者のためのサイモントン療法も催眠療法の一つです。また、旧ソビエト連邦のオリンピック選手はトレーニングにイメージ法を取り入れていましたが、このイメージ法というのも催眠療法の一つです。

催眠療法には大きく分けて二つの種類があります。

(1.)催眠療法士が一方的に暗示をかけ、クライアントはそれをだまって聞く指示的催眠療法
(2.)催眠状態にあるクライアントと質疑応答しながら心理療法をおこなう対話的催眠療法

催眠療法は心と体をリラックスさせることから始まります。催眠療法士は言葉や音楽を使って、クライアントが自分のからだと心をリラックスさせるお手伝いをするにすぎません。すべての催眠は自分で自分にかける自己催眠です。

クライアントが充分リラックスしたら、自分の問題を心に浮かべてもらい、それに対する自分の気持ちや体の反応を観察しながら、真の原因を探っていきます。真の原因が、両親、そのまた両親などにあるときには過去に遡っていきます。催眠療法は意識の世界を扱いますので、過去、現在、未来、どこにでも行くことができます。

催眠の状態について

催眠状態への誘導のために催眠術をしようするときに、誰でもどんな時にでも催眠状態になれるわけではありません。かかりやすい人、かかりやすい環境があります。

信頼関係の希薄な人、疑い深い人、神経質な人は催眠状態に入りにくいようです。また、薄暗いところ、静かなところでリラックスしているときが催眠状態には向いています。

次に催眠は状態に応じて3つの段階があり、この段階は被験者の催眠状態の深さによって分けられます。第一段階は、浅い催眠状態にはなっているものの、意識もはっきりしてる状態です。第二段階は、意識はかすかに残っていますが、体の反応は術者によって支配されているため、術者の意にそむくことはできません。しかし被験者の意識や記憶は支配できないため、行われたことはすべて覚えているということになります。第三段階は、心、感情や記憶を支配することができます。現実を認識している「意識」を取り除いた形でコミュニケーションをとるため、相手の気持ちを自由自在に操ったり、誰にも言えない秘密を聞き出したりといったことが行える状態だといえます。一般的に「催眠術にかかった状態」と言うのは、この第三段階のことを指しています。

人によって催眠術にかかる段階は違いますが、第一段階にかかる人は約8割り程度、第二段階にまでかかる人は約半分、第三段階までかかる人は2~3割り程度と言われています。催眠状態は無意識にアクセスできる状態なので、悪用することのないようにしたいものです。